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December 11, 1997 Vol. 337 No. 24

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未産婦の分娩時における硬膜外鎮痛と脊髄–硬膜外鎮痛併用の比較
EPIDURAL ANALGESIA COMPARED WITH COMBINED SPINAL–EPIDURAL ANALGESIA DURING LABOR IN NULLIPAROUS WOMEN

M.P. NAGEOTTE, D. LARSON, P.J. RUMNEY, M. SIDHU, AND K. HOLLENBACH

背景

未産婦では,分娩時の硬膜外鎮痛の使用と難産のリスクの増加とのあいだには関連があるように思われる.われわれは,陣痛時の歩行が可能となる脊髄–硬膜外鎮痛の併用では持続的腰椎硬膜外鎮痛より難産の発生率が低下するという仮説を調べた.

方 法

1995 年 7 月~96 年 9 月のあいだに,妊娠満期で自然陣痛があり,硬膜外鎮痛を要請した未産婦 761 人を無作為割付けして持続的腰椎硬膜外鎮痛または脊髄と硬膜外鎮痛の併用を行った.脊髄–硬膜外鎮痛併用を行った女性では,歩く気力を失った人もいれば,歩く気力を生じた人もいた.母体および新生児の転帰,帝王切開を必要とする難産の発生率,患者の満足度を 2 群で比較した.

結 果

帝王切開の全体の実施率,難産発生率,母体または胎児の合併症発生率,鎮痛の適切性に関する患者または看護婦の評価,全体的満足度のいずれにも,2 群で有意差を認めなかった.脊髄–硬膜外併用鎮痛群では,瘙痒を訴える女性が有意に多く(p<0.001),局所麻酔薬の硬膜外ボーラス投与の追加を要請する女性が有意に多かった(p=0.01).すべての女性で,帝王切開を必要とする難産の発生率は,骨盤位の場合に鎮痛薬を投与すると有意に高くなり(オッズ比,2.5;p<0.001),子宮口開大 4 cm 未満の場合でも同様であった(オッズ比,2.2;p<0.001).

結 論

持続的腰椎硬膜外鎮痛と比較すると,脊髄と硬膜外鎮痛の併用によっても帝王切開出産は全体として減少しない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 1715 - 9. )