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日本語アブストラクト

March 4, 1999 Vol. 340 No. 9

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禁煙のための徐放性ブプロピオン,ニコチンパッチ,またはそれら併用のコントロール試験
A Controlled Trial of Sustained-Release Bupropion, a Nicotine Patch, or Both for Smoking Cessation

D.E. JORENBY AND OTHERS

背景

ニコチン代替療法と抗うつ薬であるブプロピオンは,禁煙の助けになっている.

方 法

そこで,われわれは,禁煙のための徐放性ブプロピオン(被験者数 244 例),ニコチン パッチ(被験者数 244 例),ブプロピオンとニコチンパッチの併用(被験者数 245 例),およびプラセボ(被験者数 160 例)の二重盲検法によるプラセボを対照とした比較を行った.うつ病の臨床所見が認められた喫煙者は除外した.治療は,ブプロピオン(最初の 3 日間は 150 mg を 1 日 1 回,それ以降は 150 mg を 1 日 2 回)またはそのプラセボの 9 週間投与,およびニコチンパッチ療法(2 週目~ 7 週目までの 1 日量は 21 mg,8 週目の 1 日量は 14 mg,9 週目の 1 日量は 7 mg)またはそのプラセボの 8 週間投与であった.喫煙中止とした目標日は,通常の場合は 8 日目であった.

結 果

12 ヵ月時点の禁煙率は,プラセボ群が 15.6%であったのに対して,ニコチンパッチ群は 16.4%,ブプロピオン群は 30.3%(p<0.001),ブプロピオンとニコチンパッチ併用群は 35.5%(p<0.001)であった.7 週目までの体重の平均増加量は,プラセボ群の被験者が 2.1 kg であったのに対して,ニコチンパッチ群は 1.6 kg,ブプロピオン群は 1.7 kg,併用治療群は 1.1 kg(p<0.05)であった.7 週目時点の体重増加量は,併用治療群がブプロピオン群とプラセボ群よりも有意に少なかった(どちらの群との比較においても p<0.05).一方または両方の薬剤を中止した被験者は全体で 311 例(34.8%)であった.そのうちの 79 例の被験者は有害事象のために治療を中止した:その内訳は,プラセボ群が 6 例(3.8%),ニコチンパッチ群が 16 例(6.6%),ブプロピオン群が 29 例(11.9%),併用治療群が 28 例(11.4%)であった.もっとも発現頻度の高かった有害事象は,不眠症と頭痛であった.

結 論

徐放性ブプロピオンの単剤またはニコチンパッチとの併用による治療は,ニコチンパッチの単剤またはプラセボのいずれよりも,長期の禁煙率が有意に高いという結果が得られた.さらに,併用療法の禁煙率はブプロピオン単剤の禁煙率よりも高かったが,その差は統計学的に有意な差ではなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 685 - 91. )