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November 4, 1999 Vol. 341 No. 19

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単純ヘルペス 1 型および 2 型ウイルスの新たな感染に関する前向き研究
A Prospective Study of New Infections with Herpes Simplex Virus Type 1 and Type 2

A.G.M. LANGENBERG, L. COREY, R.L. ASHLEY, W.P. LEONG, AND S.E. STRAUS

背景

単純ヘルペスウイルス(HSV)による感染症は地域的に流行するが,成人になってから新たに感染した HSV 1 型(HSV-1)および HSV 2 型(HSV-2)感染症の臨床特性は,厳密には定義されていない.

方 法

新たに感染した HSV 感染症の臨床徴候および血清学的根拠を調べるために,HSV-2 の血清反応が陰性で,性的に活発な 2,393 例のモニターを行った.本研究の参加者のうち,1,508 例は HSV-1 の血清反応が陽性で,885 例は陰性であった.患者の症状を尿生殖器系か,あるいは口腔咽頭系かに分類するために,医療記録を盲検による方法で詳細に検討した.HSV のセロコンバージョンが確認された 174 例についても,その全例の医療記録を詳しく調査した.

結 果

HSV-1 および HSV-2 への新たな感染の割合は,100 人年当り,それぞれ 1.6 件および 5.1 件であった.HSV-2 の新規感染者 155 例のうち,57 例(37%)には症状が発現しており,そのうちの 47 例(82%)は来院時に正しい診断がなされていた.本研究の期間中に,74 例の患者が性器の HSV-2 感染と臨床診断されたが,そのうちの 60 例の診断は正しいものであったが,残りの 14 例は誤診であった.したがって,正しい陽性結果と間違った陽性結果の比は 4 : 1 であった.無症状で HSV-2 のセロコンバージョンが確認された 98 例では,その 15%に,性器の病変が追跡調査期間中のどこかで現れていた.女性は,男性と比較して,HSV-2 に感染しやすく(p < 0.01),症状のある感染が多いようであった.HSV-1 感染の既往は,HSV-2 への感染の割合を低下させるものではなかったが,無症状性のセロコンバージョンの起りやすさが,症状性のセロコンバージョンの起りやすさよりも 2.6 倍増加していた(p<0.001).HSV-1 の新規感染者 19 例については,その 12 例に症状が発現していた.症状性の性器の HSV-1 感染および口腔咽頭の HSV-1 感染の割合は同程度であった(100 人年当り 0.5 件).

結 論

HSV-2 への新たな感染のほぼ 40%,また HSV-1 への新たな感染のほぼ 2/3 は症状がある.性行為のある成人では,性器への HSV-1 新規感染の頻度は,口腔咽頭への HSV-1 新規感染と同程度である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1432 - 8. )