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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
March 28, 2019
Vol. 380 No. 13
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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多剤耐性結核に対する短期レジメン
Shorter Regimen for Multidrug-Resistant Tuberculosis世界では,毎年 500,000 人を超える人が新たに結核に感染している.リファンピン耐性結核の患者を対象とした試験で,より期間が短く強度の高い治療(9~11 ヵ月)は,標準的な 20 ヵ月のレジメンに対して非劣性であることが示された.
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冠動脈バイパス術における揮発性麻酔薬と全静脈麻酔
Volatile or Total Intravenous Anesthetics for CABG無作為化試験で,冠動脈バイパス術が予定されている 5,400 例の患者が,揮発性麻酔薬を含む麻酔レジメンと全静脈麻酔のいずれかに割り付けられた.1 年の時点で,全死因死亡数に 2 群で有意差は認められなかった.
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転移性乳癌に対するアナストロゾール+フルベストラント
Anastrozole Plus Fulvestrant in Metastatic Breast Cancerホルモン受容体陽性の転移性乳癌を有する閉経後女性のうち,一次内分泌療法としてアナストロゾールにフルベストラントを追加した群では,アナストロゾール単独群と比較して,無増悪生存期間と全生存期間が有意に延長した(それぞれ中央値 15 ヵ月 対 13.5 ヵ月,50 ヵ月 対 42 ヵ月).
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去勢抵抗性前立腺癌に対するダロルタミド
Darolutamide for Castration-Resistant Prostate Cancer前立腺癌が再発し,前立腺特異抗原(PSA)倍加時間 10 ヵ月未満の男性を対象に,新規抗アンドロゲン薬ダロルタミドの試験が行われた.ダロルタミド群では無転移生存期間が 40.4 ヵ月であったのに対し,プラセボ群では 18.4 ヵ月であった.毒性は 2 群で同様であった.
SPECIAL ARTICLE
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医療過誤訴訟後の診療における変化
Changes in Practice after Malpractice Claims2003~15 年に支払いがなされた医療過誤による損害賠償請求の米国データベースの解析で,医師の 89%は損害賠償の支払いがなく,9%は 1 回あり,残りの 2%は 2 回以上で全訴訟の 39%を占めていた.複数の支払いがある医師は地理的に移動することは少ないが,より規模の小さい診療環境に変える傾向が高かった.
REVIEW ARTICLE
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卵巣粘液性癌
Mucinous Ovarian Cancer卵巣粘液性癌は,上皮性卵巣癌に占める割合が 3%であり,卵巣に転移した粘液性腺癌とは鑑別しなければならない.症例の大部分は大きな限局性腫瘤として発症し,切除は良好な転帰と関連する.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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気腹を伴う腸管囊腫様気腫
Pneumatosis Cystoides Intestinalis with Pneumoperitoneum61 歳の女性が急激な腹痛を訴えて受診した.腹部 CT にて,遊離ガス像と小腸壁内ガス像を認めた.緊急開腹手術を施行した.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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進行性呼吸困難を呈した男性
A Man with Progressive Dyspnea69 歳の男性が,進行性に増悪する呼吸困難のため評価を受けた.胸部画像検査の結果は線維化肺疾患に一致し,肺機能検査では拡散能障害を伴う拘束性換気障害が認められた.診断がなされた.
INTERACTIVE MEDICAL CASE
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危険な回り道
A Dangerous Detourこの双方向性の症例では,T 細胞急性リンパ性白血病で化学療法を受けており,進行性の呼吸困難を呈する 26 歳の女性を取り上げる.NEJM.org でご自身の診断・治療技術をお試しください.
NEJM QUICK TAKE
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多剤耐性結核を治療する
Treating Multidrug-Resistant Tuberculosis多剤耐性結核は,資源の乏しい環境ではとくに,薬剤感受性結核よりもはるかに治療がむずかしい.2011 年の WHO のガイドラインで推奨されている治療コースよりも容易に治療を成功させられる方法はあるのであろうか? 新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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刑務所におけるオピオイド使用障害を治療する
Treating Opioid Use Disorder in JailIngrid Binswanger が,投獄された人々のオピオイド使用障害の治療のギャップについて論じている.