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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 19, 2019
Vol. 381 No. 25

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 卵巣癌に対するニラパリブ維持療法
    Niraparib Maintenance Therapy in Ovarian Cancer

    進行卵巣癌と新たに診断された患者を,プラチナベースの化学療法が奏効したあとの維持療法として,PARP 阻害薬ニラパリブを連日投与する群とプラセボを連日投与する群に無作為に割り付けた.ニラパリブ群では,無増悪生存期間がプラセボ群よりも有意に長く,骨髄抑制と悪心の頻度がやや上昇した.

  • 進行卵巣癌に対するベリパリブ
    Veliparib in Advanced Ovarian Cancer

    進行卵巣癌の女性において,PARP 阻害薬であるベリパリブを導入化学療法に追加し維持療法にも用いたところ,ベリパリブによる維持療法を行わず導入化学療法のみを行った場合を上回る無増悪生存期間の有意な延長がみられた.この延長は,BRCA 変異または相同組換え修復異常を有する患者でとくに顕著であった.

  • 卵巣癌に対するオラパリブ維持療法
    Olaparib Maintenance Therapy for Ovarian Cancer

    PARP 阻害薬オラパリブは,維持療法として使用した場合に,一次化学療法が奏効した卵巣癌患者の無増悪生存期間に有意な利益をもたらした.とくに相同組換え修復異常(HRD)陽性の腫瘍(BRCA 変異陽性腫瘍など)を有する患者では利益が大きかった.血液学的毒性が認められた.

  • 結核ワクチン
    Tuberculosis Vaccine

    結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は依然としてグローバルヘルスにとって重大な脅威である.この報告では,M72/AS01E ワクチンは,感染した成人での活動性結核症への進行を約 50%予防した.

SPECIAL ARTICLE

  • 米国の州レベルでの成人肥満と重度肥満の予測
    Projected U.S. State-Level Adult Obesity and Severe Obesity

    この研究は,成人における肥満と重度肥満の有病率が米国全体で上昇し続けるであろうことと,州と人口統計学的サブグループによって格差が大きいことを予測している.これらの結論は,600 万例を超える成人が回答した BMI データ(1993~94 年,1999~2016 年の調査による)の解析に基づくもので,データはバイアスの補正が行われている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • バイク事故後に血圧低下と外傷を有する女性
    A Woman with Hypotension and Trauma after a Motorcycle Accident

    57 歳の女性が,外傷性のバイク事故後に救急部に搬送された.骨盤および大腿からの出血により,出血性ショックにいたった.緊急管理の意思決定がなされ,治療処置が行われた.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 上腕骨顆上骨折
    Supracondylar Fracture

    上腕骨顆上骨折

    4 歳の女児が,木から落下する際に腕を伸ばした状態で手をつき,救急部に搬送された.診察で肘関節の変形を認め,打撲傷と皮膚のしわを伴っていた.X 線画像で上腕骨顆上骨折が認められた.

CLINICAL PRACTICE AUDIO

  • トランスジェンダーの人々のケア
    Care of Transgender Persons

    トランスジェンダーの人々のケア

    米国の人口の約 0.6%がトランスジェンダーであることを自認している.患者の選好により,ホルモン療法(トランスジェンダーの男性ではテストステロン,トランスジェンダーの女性ではエストロゲンとアンドロゲン抑制薬),患者の目標に合わせた手術,妊孕性温存などの治療が行われうる.

NEJM QUICK TAKE

  • 卵巣癌における無増悪生存期間を延長させる
    Prolonging Progression-free Survival in Ovarian Cancer

    卵巣癌における無増悪生存期間を延長させる

    進行卵巣癌患者の最大 85%で,腫瘍減量手術と,プラチナ製剤とタキサン系薬を併用する全身化学療法による標準治療後,疾患が再発する.さらなる薬剤の使用は,安全性の懸念とデータが不十分であることから制限されている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 障害に対する医療のアプローチに挑む
    Challenging Medicine's Approach to Disability

    障害に対する医療のアプローチに挑む

    Michele Friedner が,正常という概念が,医療における意思決定にどのような影響を及ぼすかについて論じている.